■ アプリでの印象：余白に詰まった経験値の高さ

彼女のプロフィールは、東カレ感がきれいに凝縮されていた。

・30代前半
・元CA（国際線）
・今は管理職寄りの仕事に転換
・写真はワインと肩のラインだけ
・「落ち着いた関係を作れたら嬉しいです」とだけ

余白が多いのに、人となりが深く想像できるタイプ。
バツイチであることを隠していないのも好印象だった。

俺「プロフィール、すごく綺麗ですね」

彼女「写真はあんまり得意じゃなくて。でも、嘘っぽいのも嫌なので」

飾らない一言。
経験を積んだ女性特有の、言葉の重さと軽さの混ざり方だった。

■ 当日：冬の冷気が似合う“大人の色気”

待ち合わせ場所に現れた彼女は、
シンプルな黒コートを纏ったままでも存在感があった。

CA時代の名残だろうか、姿勢が綺麗で歩き姿に無駄がない。
髪はまとめてあり、イヤーカフが冬の照明に小さく光って見えた。

「こんばんは。…思ってたより落ち着いてそうな方で安心しました」

言葉は淡々としているのに、
その“安心しました”に少しだけ過去の傷が滲む。

■ 一軒目：冬景色の見えるレストランで、深度のある会話

選んだのは、冬の街並みがよく見える高層階レストラン。
冬の夜景は、余計な色がなくて彼女の雰囲気に合っていた。

彼女「こういう景色、久しぶりかもしれないです」

俺「忙しかった？」

彼女「忙しいというより…余裕がなかったのかも」

一皿目が来る頃には、すでに空気が柔らかくなっていた。

彼女は仕事や離婚の話を淡々と話すが、
“愚痴”に落とし込まないのが大人だ。

彼女「元夫とは、嫌いになったわけじゃないんです」

俺「うん」

彼女「ただ…向いてる方向が違った。それだけなんですよね」

冬の静けさに吸い込まれるような話し方だった。
つらさをそのまま見せずに“整理して語れる”強さがある。

■ 二軒目：冬のラウンジで見せた、素の表情

レストランを出ると風が強く、
彼女はマフラーを直しながら少し笑った。

彼女「冬って、ちょっと人恋しくなりません？」

俺「なるね。あなたは？」

彼女「…なります」

この“間”に、彼女の本音が詰まっていた。

静かなホテルラウンジに入り、窓際の席に座ると、
彼女の顔が一段柔らかくなった。

彼女「嫌なこともあったけど…強がるより、ちゃんと向き合いたいんです」

俺「向き合える相手、ちゃんと見つかるよ」

彼女「今日みたいな夜なら、そう思えます」

グラス越しに目が合った瞬間、
冬の空気が少しだけ暖かく感じた。

■ 帰り際：大人の関係が始まる予感

タクシーを止め、彼女を先に乗せる。
ドアが閉まる直前、彼女は少しだけ身を乗り出して言った。

「今日は…救われた気がしました。
また会いたいって、ちゃんと思いました。」

こういう“素”の温度が出るのは、冬ならではだと思う。